歯肉圧排には圧排ペーストを使うべき?トラクソデントの特徴と使い方

支台形成後の印象採得に際し、支台歯のマージンを模型に再現するなら歯肉圧排が欠かせません。

しかしながら、従来から行われている圧排糸による歯肉圧排は作業性が悪いことは否定できず、効率的に歯肉圧排するために熟練を要するものでした。

そのため、歯肉圧排せずに印象採得に踏み切る歯科医師が多くなったのです。

そんな中、圧排糸に代わる歯肉圧排器材として圧排ペースト・トラクソデントが開発されました。

トラクソデントとは、いったいどのようなものなのでしょうか。この記事ではトラクソデントについて、わかりやすくご紹介します。

歯肉圧排ペーストの特徴は?

歯肉圧排ペーストと歯肉圧排糸にはどのような違いがあるのでしょうか。

歯肉圧排ペースト・トラクソデントの特徴、そしてトラクソデント以外の圧排ペースト、圧排ペーストの利点なども含めてご説明します。

トラクソデントとは

トラクソデントとは、アメリカのプレミア(Premier)社が製造している歯肉圧排材料です。

国内では、白水貿易株式会社によって輸入されています。

トラクソデントは、塩化アルミニウムを含んだペースト状の材料です。

歯周ポケット部分に注入して、歯肉を支台歯から離し、マージンを明確にすることを目的に資料されます。

もちろん、組織為害性も低く、安全性が高いことが特徴です。

トラクソデント以外の歯肉圧排ペースト

歯肉圧排ペーストは、トラクソデントだけではなく、3MからESPEという圧排ペーストが発売されています。

こちらの製品もトラクソデントと同じく、歯肉溝に注入し、2分放置し、推薦して洗い流すだけなので、使い方は簡単です。

ただし、トラクソデントと異なり、専用のディスペンサーを使って歯肉圧排をする仕組みになっているので、ディスペンサーを準備しておく必要があります。

歯肉圧排糸よりも操作性が優れている

従来の歯肉圧排法では、圧排糸を使っていました。

圧排糸の場合は、適度な長さに切断し、歯周ポケットに巻きつけて入れるという作業が必要です。

慣れていなければ、巻きつけることはおろか、適度な長さに切ることすら難しいのが実情で、歯肉圧排を遠ざけてしまう原因になっていました。

圧排ペーストの場合は操作性に優れているため、初めてでも簡単に歯肉圧排できます。

歯肉溝が狭くても使いやすい

圧排糸を歯周溝に入れる従来の歯肉圧排法では、狭く浅い健康的な歯肉溝には圧排糸を入れるのが困難でした。

圧排ペーストは注入するだけなので、健康的な歯肉溝であっても容易に歯肉圧排が可能となります。

術後の除去も簡単

歯肉圧排ペーストの除去もトラクソデントなら簡単です。

スリーウェイシリンジを使って洗い流すだけなので、除去する際に印象の障害となる出血をおこすリスクもほとんどありません。

歯肉圧排の必要性とは?

歯肉圧排とは、支台歯の印象採得時に支台歯のマージンをはっきりと出すために、支台歯のマージンと歯肉の間に隙間を作りだす手技のことです。

歯肉圧排すれば、歯肉溝液や歯肉溝からの出血などにより難しくなるマージン部分の印象を、正確に行うことができます。

支台形成だけではマージンをきれいに印象しにくい

圧排糸しかなかった頃は、なかなか歯肉圧排は難しく時間のかかる手技でした。

保険診療で治療を行うとなれば、支台形成から印象・咬合採得までの点数を考えると、できるだけ短時間に効率よく治療を進めなければなりません。

歯肉圧排にかける時間はそう多くは取れないのが現実です。

そのため、歯肉圧排せずに支台歯を印象することが多くなるのです。

支台歯のマージンは、歯肉と接するほどに近くに設定されていますので、普通に印象しただけではきれいにマージンが再現できません。歯肉とマージンが接した模型になってしまうのです。

支台歯とマージンをできるだけ離すために、歯肉圧排が行われています。

歯肉圧排の利点

歯肉圧排の利点は、模型上に支台歯のマージンを明確に現せられるという点にあります。

マージンが不明確な模型上でワックスアップをして補綴物を作成すると、補綴物と支台歯の間に段差が生じる恐れがあるのです。

もし段差が生じていれば、プラークコントロールが難しくなる要因となり、そこから二次カリエスや歯周病が発生します。

できるだけ補綴物と支台歯を段差なくピッタリと合わせるために、模型上に支台歯のマージンを明確に示さなければなりません。

そのためには、歯肉とマージンをできるだけ離す必要があります。

歯肉圧排を行えば、マージンと歯肉が離れますので、模型上に支台歯のマージンをはっきりと出せるようになるのです。

マージンがはっきりした模型で補綴物を作ると段差が生じにくくなり、プラークコントロールもしやすくなります。

歯肉圧排の利点は、プラークコントロールのしやすさにもつながってくるのです。

圧排ペースト・トラクソデントを使った歯肉圧排の使い方

  1. トラクソデントを使った歯肉圧排の手順は以下の通りです。
  2. 支台形成に先立ち、歯周基本治療を完了させる
  3. 支台形成後、歯肉溝を止血する
  4. 歯肉溝の洗浄・乾燥後、圧排ペーストを注入する(この時、歯肉溝が深い場合は歯肉圧排糸を併用することも可能です。)
  5. 圧排ペーストを歯肉溝に注入後、1〜2分程度待つ
  6. 圧排ペーストを水洗して除去する
  7. 支台歯の印象採得をする

まとめ:歯肉圧排には歯肉圧排ペーストがおすすめ

今回は、新しく登場した圧排ペースト・トラクソデントについて解説しました。

従来は圧排糸による歯肉圧排で支台歯のマージンを明示し印象採得していました。操作性が悪く、時間がかかり、熟練を要するという欠点があったのです。

トラクソデントなどの圧排ペーストなら操作性が大変よく、誰でも簡単に支台歯のマージンの印象採得ができます。

圧排ペーストを使った印象を行えば、マージンがはっきりと正確に印象できるため、補綴物の適合性を高められるのです。

トラクソデントの使い方は、歯肉溝を洗浄したのちに注入し、1〜2分程度かけて硬化させ、流水下で洗い流すだけですからとても簡単です。

「歯肉圧排をしたいけれど、圧排糸ですると時間がかかるので難しい」と悩んでいる方は、ぜひこの記事を参考にしてトラクソデントを使ってみてはいかがでしょうか。

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