こんにちは。スリービー・ラボラトリーズです。
当社でオールジルコニアを用いた技工物の中ではもっとも自然感のあるパールエナメルクラウンについて、症例とともにご紹介いたします。
パールエナメルクラウンとはどんな材料?
当社では、オールジルコニアとしてパールエナメルやパール、パールマルチレイヤーという材料を使用しております。
材料をリニューアルする以前のパールエナメルは、透過性の高いジルコニアブロックを用いており、審美性が高い材料でした。ジルコニア補綴物の中では780MPa と強度が低めですが、それでも e‐max の 2 倍近い強度を有します。透過性が高いため、オールジルコニア補綴物の中で最も自然なインレーを作製できます。ただし、ジルコニアの厚みが大きい場合には透過性は大きく損なわれ、オールジルコニアの中では強度が低かったため3本までの連結冠が対応範囲でした。
今までは大臼歯を含むと3歯までの連結冠が、材料をリニューアルしたことで(1000MPa以上)の強度を実現し6歯まで延長可能になりました。以前から医院様からのお問い合わせで連結本数を増やしてほしいというご要望、ご意見の声を多々お受けするような事もありました。これまでハイトランスのジルコニアディスクといえば、高強度のオールジルコニアよりは色調はよいけれど強度が弱い、e‐maxよりは強度は強いが色調がよくないなどが不安要素でした。そこでそのような不安要素を払拭すべく、大手ディスク製造元アダマンド社に、自社独自のジルコニアディスクのオーダー受注を依頼しました。何度も綿密な打ち合わせをして、強度、色調の検証を繰り返しながら現在の製造販売に至っております。本来ディスク自体の強度を上げると、全体的な不透明感が増したり、透明感と不透明感の境目ができたりするのですがグラデーションもありより自然な仕上がりとなっております。
パールエナメル以外のオールジルコニアの特徴をあげると、パールはジルコニアのみで製作した高強度の補綴物です。当社が取り扱うジルコニア補綴物の中でも最も曲げ強度が高いので(1200MPa)、破折の心配がほとんどありません。咬合圧の強い大臼歯部に適しています。ただし、透過性が弱く、また色調が安定しないため審美性が求められる前歯部には不向きです。また、ジルコニアの厚みが大きい場合には透過性は大きく損なわれます。フルアーチにも対応できます。
パールマルチレイヤーはジルコニアのみで製作したグラデーションタイプの補綴物です。歯頚部から咬頭にかけて透過率が高くなっています。色調は5段階のグラデーションが付与されているので、オールジルコニアとしては自然な質感を再現できます。強度 (780~1100MPa)と審美性を兼ね備えている補綴物です。なお、グラデーションは、あらかじめ付与されているので調整はできません。また、ジルコニアの厚みが大きいと透過性は大きく損なわれます。4本まで連結可能です。
当社で作製したパールエナメル連結冠の症例
当社で作製しましたパールエナメルを用いた症例をご紹介いたします。
症例: パールエナメルを用いた②①┴①②③連結冠症例
症例: パールエナメルを用いた下顎右側6番の単独冠症例
陶材を築盛した補綴物(陶材築盛型ジルコニア)には審美的に関しては劣るものの、使用部位によっては十分に活用できるものとなっております。歯冠の唇側面の厚みやポンティック等のジルコニアの塊と支台歯のある薄い部分とでも質感の調和ができるように自然感が高まりましたので是非お試しください。
パールエナメルのジルコニアディスク自体が強度も増したことにより、症例によってはタイザンクラウン(陶材築盛型)とパールエナメルクラウンの混合の連結冠の設計も可能となっておりますのでお気軽にご相談ください。症例によっては対応しかねる場合もございますので予めご了承ください。
禁忌症例
・咬合高径が少ない
・ブラキシズムがみられる症例
・2歯以上のポンティック
・インレーBr、アンレーBrの症例
・アドフィジョンウイング、レストの症例
※6歯以上の補綴物の連冠に対しては従来通り 試適形態をお願いしております
陶材築盛型ジルコニアとオールジルコニアの選択
オールジルコニアは近年、材料が進化し審美性も兼ね備えたものの開発が行われています。しかし審美性が求められる部位では、やはり陶材築盛型ジルコニアの方が患者様にも満足していただけることが多いのが現状です。費用や歯質切削量も異なりますので、患者様のニーズに合わせた選択をしていただくことが大切です。
各種ジルコニアの技工ならスリービー・ラボラトリーズへ
ジルコニア素材を用いた技工のご依頼なら、技工実績の多いスリービー・ラボラトリーズへお問い合わせください。経験豊富な歯科技工士が対応させていただき、歯科医院様にも患者様にも納得して頂ける補綴物を作製させていただきます。
参照:スリービー・ラボラトリーズの『独自の取り組み』 → https://3b-lab.jp/reason
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参照:スリービー・ラボラトリーズ『当社の想い』と『作業風景』 → https://3b-lab.jp/mind