ジルコニアは丈夫で安全性抜群の歯科材料!メリット・デメリットを解説

ジルコニアという素材をご存知でしょうか?

歯科治療にジルコニアを使用することで、より強度とともに安全性も増すため、非常に注目されているのです。

そこでこの記事では、歯科治療で注目されるジルコニアについて、メリットとデメリットをお伝えしていきます。

ジルコニアとはどんなもの?

ジルコニアとは、強度が強いわりに軽く、人体にやさしいセラミックです。

骨の代替素材として人工関節などに使用されるほど、生態との親和性が高いのが特徴となっています。

金属材料にとって変わるものとして、もっとも注目されるセラミックです。

歯科でジルコニアを使用するメリット


歯科治療でジルコニアを使用すると、以下のようなメリットがあります。

  • 割れにくくて丈夫
  • 体に優しくて安全
  • 色が白く透明感がある
  • 歯ぐきの変色がない
  • 幅広い治療、設計が可能
  • 汚れがつきにくい
  • 仮止めで経過観察可能

それぞれ詳しく説明していきましょう。

①割れにくくて丈夫

セラミックはインプラントやブリッジの土台として使うときに、金属で補強が必要でした。

しかし、ジルコニアは、金属以上の強度を持っています。したがって、単独素材での使用が可能です。

施術後にも破損しにくいので、患者さんにおすすめしやすい素材だと言えます。

②体に優しくて安全

アレルギーのおそれがある金属とは違い、ジルコニアはアレルギーを起こすことがありません。そういった面から見ても、ジルコニアは患者さんにおすすめしやすいのです。

現時点で金属アレルギーかどうか不明な場合でも、土台にも金属を使う必要がないので、長期間にわたってアレルゲンをため込む心配すらありません。

金属アレルギーを発症するリスクがないというのは、患者さんにとって安心できる大きなメリットなのです。

③色が白く透明感がある

ジルコニアの色は白く、若干の透明感があり、本物の歯により近い質感が出るようになっています。

これまではかぶせ物に金属を使うと目立ってしまっていたので、見栄えがかなり自然になりました。

④歯ぐきの変色がない

金属を使用した場合、金属イオンの溶出により、歯肉との境目部分が黒く変色することがありました。

しかし、ジルコニアでつくられるフレームは、イオン流出がほとんどありません。

また、白い材料であるため歯肉を健全な状態で保持できるのです。

患者さんの歯茎への負担を少なくすることができます。

⑤幅広い治療・設計が可能

ジルコニアはインプラント体・義歯・ブリッジにも応用することができます。

治療の幅が広く、さまざまな設計が可能である点も、歯科治療の素材として活用しやすいメリットです。

⑥汚れがつきにくい

口の中は食べ物の成分の刺激を与えられ続けるため、素材によってはその刺激に負けてダメージを受け、劣化したり汚れてしまうことがあります。

しかし、ジルコニアは非常に安定した素材であるため、このような厳しい環境のでも、機能に変化は起きません。

口内でもジルコニアは清潔に保つことができるのです。

⑦仮止めで経過観察可能

セラミックを素材に使用した場合、基本的に仮止めをすることはできませんでした。

しかし、ジルコニアには強度があるため、仮止めで様子を見て、経過観察をすることができるのです。

その点でもジルコニアは治療素材として、非常に便利だと言えます。

歯科でジルコニアを使用するデメリット


歯科治療の素材として、ジルコニアを使用するデメリットは主に以下のようなものがあります。

  • 割れてしまうことがある
  • 歯を削る量が少し多い
  • 研磨や調整がしにくい
  • 保険がきかない
  • 治療予後のデータが少ない
  • 接着剤がつきにくい

それでは、それぞれ詳しく説明していきましょう。

①割れてしまうことがある

ジルコニアの強度は強いのですが、やはり割れる恐れはあります。表面を覆っているポーセレンというセラミックが割れてしまうのです。

しかし、ジルコニアに限らず、一生もつような素材はほとんどありませんし、金属でも経年で壊れてしまうことはあります。

②歯を削る量が少し多い

ジルコニアで治療を行う場合は、歯を削る量が多くなります。ジルコニアの表面をポーセレンといわれるセラミックで覆う二重構造となるためです。

治療で患者さんにかける負担が大きいということは認識しておいてください。

③研磨や調整がしにくい

ジルコニアの場合、とても硬いので失敗すると調整できません。

修理ができないので、失敗した場合は再作成になってしまいます。

④保険がきかない

ジルコニアを使用した治療は保険適応外となるため、治療費は10割負担となってしまいます。

費用は13万円程度と安くはありません。保険適用の銀歯では3千円、適用外のメタルボンドなどでも10万円前後です。

⑤治療予後のデータが少ない

ジルコニアが薬事法の認可を受けたのは2005年であり、まだ歴史が浅いのです。

したがって、まだ年齢の若いうちにジルコニア治療を受けていたとしても、どの人がどの年齢になるまでの耐久性があるのかなどという事に関しては、理論上のデータしかありません。

しかし、多くの国で歯科治療素材として注目されていて、年間500万本以上の詰め物や被せものである補綴物に使用されるほど安全性は認められています。

⑥接着剤がつきにくい

ジルコニアは金属に近い性質をもつセラミックであり、金属と同じように接着剤がつきにくいという性質を持っています。

そのため、土台に接着しにくいということは頭に入れておきましょう。

ジルコニアで治療した場合の寿命と管理は?

ジルコニアで治療をしたあと、管理はどのように行い、寿命はどれほど持つのでしょうか。

治療後についてもご紹介します。

ジルコニアの寿命は長いのか?

銀歯の寿命は約3~5年、通常のセラミックは10年~20年とも言われます。

しかし、ジルコニアは通常のセラミックよりもさらに長持ちし、20年以上使えると言われているのです。

ジルコニアの管理で注意すべきこととは?

ジルコニアは耐久性に優れていますが、歯ぎしりが習慣化されている患者にはダメージがあります。

また、歯周病が進んで歯茎が衰えてきた場合は、定着していたジルコニアの人工歯も安定性がなくなってしまうのです。

健康な自分の歯を維持することで、ジルコニアの定着を保持できます。

したがって、ジルコニアで治療を行うときには、患者さん自身の日頃からの虫歯・歯周病予防が大切になることをお伝えする必要があるのです。

まとめ:ジルコニアは丈夫で安全だが管理には注意

ジルコニアは耐久性や安全性もあり、優秀な歯科治療の素材であることは紛れもない事実です。

しかし、だからといって治療後の管理を怠ってしまうと、他の素材と同じように劣化が進んでいく可能性もあります。

治療をジルコニアで行う際には、患者さんにもジルコニアの特性などをしっかりとお伝えし、治療後の口内管理の大切さをお伝えしましょう。

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