保険診療だけで歯科経営を成功させるのは、なかなか難しいですよね。
歯科の経営を安定させるには、自費診療を積極的に取り入れて患者の自費率を上げることが重要です。
しかし自費率を上げるには、いったいどうすればいいのでしょうか。
この記事では歯医者の自費率を上げる方法をご紹介します。
保険診療と自費診療で利益がどのくらい変わるのか
保険診療を中心とする歯科医院では、医業利益率は一般的に約25%程度だと程度だと言われています。
中でも自費診療に積極的に取り組んでいる歯科医院では、医業利益率が約45%と高くなっているのです。自費診療を多くすることで、利益は一気に多くなります。
歯医者の1日当たりの患者数が少なかったとしても、保険診療中心の診療所以上に医業利益を確保することが可能となる。
歯科経営を安定させるには、自費診療を促進していくことが重要なのです。
患者さんに自費診療をおすすめする理由を明確に持つ
「自費診療をすすめる」ということを「金儲け主義」だと感じ、引け目を感じる人が多いようです。「自費診療=金儲け」になるという感覚を捨てましょう。
自費診療を行うことで幸せになる患者さんは、実際に大勢いるはずです。それは歯科医がもっともよくわかっていることですが、患者さんは自費診療の重要性を知りません。
使命感をもって、プロとして正しい自費診療の情報と意味を患者さんにわかりやすく伝えるべきです。それが歯科医の重要なミッションなのです。
歯医者は患者さんの歯を長持ちさせることが目的であるはずです。患者もそれを望んでいるわけですから、そのために最善の方法を提案するのが親切だと言えます。
たとえば、自費診療の情報を知らなかったがために歯の寿命が短くなってしまう人がいるかもしれません。「歯科医が教えてくれたら、自費診療に切り替えたのに」と悔やむ人もいるはずです。そのような患者さんが確かに存在することをしっかりと認識しましょう。
ただし、情報発信は失敗すると信頼関係が崩壊します。
胸を張って、プライドを持って自費診療をすすめられるようになる意識改革を行うことが重要です。
自分は何のために患者さんに自費診療をおすすめするのかと明確に言語化し、ポリシーを持ってください。
歯医者の自費率を上げるには①患者さんの信頼を得る
歯医者の自費率を上げるには、まず患者さんから信頼を得ることが重要になります。
いったい、どのようにすれば患者さんから信頼を勝ち取ることができるのでしょうか。
日頃からていねいな診療で信頼を重ねる
まず、歯医者は普段の保険診療で患者に信頼されることが第一となります。
信頼関係ができる前に、患者さんに経営のためだけに高額な自費診療を提案していると思われたら、患者さんとの信頼関係は崩れてしまうはずです。
しかし、患者との信頼関係が崩れてしまうのを恐れてしまって自費診療を提案できない歯医者が多いのが実情。
まずは「この人は間違ったことが言わない」と思わせるくらいの信頼関係を築くことが大切なのです。
悩みの深い患者さんに「最善の選択肢」として示す
選択肢としての「自費診療」は、可能性がある場合はいつでも提示するべきです。
妥協のない治療を実現させるため、患者には最善の方法を知ってもらう必要があります。
短い目線で見れば保険適応の治療でも十分な場合でも、長い目線で見ると将来が変わることもあるのです。
なんとか自費診療をとすすめるのではなく、選択肢として提示して選ばせれば嫌な感じはしません。
あくまで患者に選んでもらうようにしてください。自分の意志を尊重してもらえれば、患者の気分を害することなく、おすすめすることができます。
歯医者の自費率を上げるには②院内で情報発信を行う
院内での掲示物や資料でも、自費診療の情報は発信は重要です。主に以下のようなツールを使用するとよいでしょう。
- 院内ポスター
- 院内資料
- メルマガ
このような資料は、待合時間の退屈しのぎになるので、患者さんからもありがたがられます。
実際に発信している内容が自分の歯の悩みに合致した内容になっていれば、興味を持って読んでもらえます。
発信する内容が難しくならないように注意し、誰でもわかりやすい簡単な内容にする事が重要です。情報が専門的過ぎたり、難しい単語が多く並べられていたりすると、読者はストレスを感じて、読もうとしなくなるからです。
また、発信物をつくるときは、宣伝と思わず本気で悩んでいる人に有益な情報を届ける意識でつくりましょう。
本気で悩んでくれる人が「いいことを知った」と思ってもらえるようなイメージで情報発信を行うことが大切です。
高価というデメリットはあるが将来的には安心できるという内容で、数ある選択肢の一つとして提示していけば、患者さんに嫌なイメージは与えないはずです。
自費診療はお金儲けの手段ではなく、悩み解決のための強力な手段と考えてください。
歯医者の自費率を上げるには③ホームページで解説する
医院のサイトと別に、自費診療を解説するサイトを制作するのもおすすめです。
サイトの中で患者さんの立場に立って、分かりやすく説明することで、患者さんにじっくりと自費治療のメリットを理解してもらえます。
治療の合間に慌ただしく説明をするのとは違い、患者さんの時間があるときに、自分のタイミングでじっくりと自費治療を理解してもらえるのがメリットです。
自分自身で納得して読むので、理解度は深まるし嫌な思いをすることはありません。
診察の時間短縮にも効果的で「入れ歯の種類について詳しく説明したホームページを用意していますので、そちらを後で読んでおいてください」とお伝えするだけで簡単です。
押しつけがましい言い方をしなくて済むのもメリットです。
まとめ:歯医者が自費率を上げるには自発性が大切
患者さんは歯医者がいくら熱心に自費治療をすすめても、自ら「診察を受けたい」と思わなければ、自費治療を選択することはありません。
自発的に自費治療を選択するようになるには、自費治療の必要性やメリットを正しく理解する必要があるのです。
そのような状況をつくりだすには、患者との信頼関係や十分な情報提供、そして患者自身が選べる環境が大切になります。
これからの歯科経営をより安定させるために、ぜひ自費率向上にチャレンジしてみてください。