患者様、歯科医院様と共に歩むために新宿の歯科技工所が大切にしていること

東京都新宿区の歯科技工所「株式会社スリービー・ラボラトリーズ」専務取締役の島田勝家です。私たちのメディア「歯科医のミカタ」へアクセスしていただき、本当にありがとうございます。

こちらの記事では、私たちがどういう歯科技工所であり、どのような思いでこの仕事をしているかについて、僭越ながら書かせていただきました。まずは当社代表、伊藤からのご挨拶となりますので、お付き合いをお願いいたします。

島田勝家

時代の変化を追いながら歯科技工所を35年間運営

10年前からジルコニアが主軸に

株式会社スリービー・ラボラトリーズ代表取締役の伊藤健です。新宿の土地で、何度か体制変更を経ながら35年間この仕事を続けさせていただいています。

私たちの歯科技工所は、業界内では中堅くらいの規模です。100人以上の技工士を抱えている大規模な技工所もあれば、個人でやっている方もいる中、当社は15人前後の技工士が勤務しています。

スリービー・ラボラトリーズの主力商品は、10年ほど前からジルコニア技工に移行しています。それまでは金属、つまり銀歯ですね、こちらが主体だったのですが、2012年以降金属の取り扱いはありません。ジルコニアはメタルと遜色ない強度を持ちながら、見た目にも綺麗で自然の歯と変わりません。そしてメタルフリーなので、金属アレルギーの方でも問題ありません。

口腔内スキャナーはスタンダードになる

また、ジルコニアの取り扱いと同じタイミングで、機械化を一気に押し進めました。CAD/CAM技工ですね。金属の補綴では全て手作業が前提でしたが、ジルコニアは機械で削り出すことができます。全然違う商品なので、仕事をする環境や設備も大きく変えて、今のところそれがうまくいっています。

さらに、ここ数年で口腔内スキャナーが爆発的に普及しています。弊社でも取り扱いの2割程度が口腔内スキャナーによるものです。これは歯科医院様、患者様双方の負担軽減につながるもので、今後爆発的に普及するものと確信しています。だからすでに当社では複数のメーカーの口腔内スキャナーに対応できる環境を整えています。

歯科業界は非常に変化が早いです。時代の流れをしっかり追いかけながら、今後も歯科医院様、そしてその先にいらっしゃる患者様のことを常に考えて良い仕事をさせていただきます。

その先の患者様のことを常に考えます

続きまして、現場で働く歯科技工士を代表して、渡部にこの仕事について話してもらいました。

営業を介さず直接技工士が対応

スリービー・ラボラトリーズの歯科技工士、渡部喜幸です。現場から、私たちの仕事の内容や取り組む姿勢についてお伝えできればと思います。

まず、仕事をする上で一番大切にしていること、それは歯科医院様からいただくオーダーに対して、確実にニーズを把握して応えることです。患者様と直接お会いすることはなくても、現状をしっかり把握し、その対策を形にして納品するのが私たちの仕事です。

歯科医院様により、必ずこだわりがあります。そういったものを歯科技工士全員で把握し、医院様のニーズをしっかり汲み取りながら仕事をするのが私たちのスタンスです。当社には営業担当がいないため、歯科医の先生にとって直接技工士とコミュニケーションを取りながら仕事を進められるのは、小さくないメリットなのではないでしょうか。技工士免許を持った者と、専門用語を交えながら仕事のやりとりができます。

機械化と内製化で短納期を実現

また、今は口腔内スキャナーが主流になりつつありますが、当社では全部で4種類(CEREC、iTero、TRIOS、3M)に対応できます。また、その他のメーカーでも、STLデータの受注は可能です。どのスキャナーを使うかは医院様次第なので、いろいろなオーダーに対応できる体制を構築しています。

もう一つ、当社は業界内でもかなり短納期な方ではないかと思っています。他社では7営業日ほどかかるところを、4営業日目で発送ができています。その理由は2つあります。

1つは機械化されており、安定した速度で製作、納品ができること。もう1つは、機械化とも関連がありますが、自社内に機械を含めた全てがあるので、外注に頼らず自分たちだけで仕事を完結できる点です。他の技工所ですと、メーカーのセンターにジルコニアの削り出しを依頼し、その上にステインを着生したりとどうしても時間がかかってしまいます。

納期が短いということは、患者様に次回ご来院いただくサイクルも早まるということですから、医院様の収益増にも貢献できているのではないかと思います。

患者様に喜んでいただけるモノ作りを

最後に、私がこの業界に入って20年くらいになります。ここ数年の環境の変化はすさまじく、先ほどのジルコニアもそうですけど、模型が3Dになったりしています。このあたりのスピーディーさは魅力です。

私もそうですが、やっぱりモノを作ることが好きで、この仕事を続けている人が多いですね。直接やりとりさせていただいているのは歯科医の先生ですが、その先にいらっしゃる患者様のことを常に考え、患者様に喜んでいただけるものを作っていきたいです。

歯科医院様と共に成長していきたい

デジタル化がもたらした審美ニーズの高まり

ここまでお読みいただき、ありがとうございました。島田です。

最近はこの業界でも圧倒的な審美ニーズの盛り上がりを感じます。一昔前なら、矯正をやっている歯科医院様から補綴のお仕事をいただくことはありませんでした。

患者様は、歯並びはもちろんのこと、色も気にされるようになりました。今は患者様が歯科医院を選ぶ時代です。昔は虫歯を削って治すだけで良かったのですが、今は歯科医院様が歯の美容の役割も担うようになっています。

こういった業界の急激な変化は、デジタル化による影響が極めて大きいです。審美性に優れるジルコニアという素材は機械で削り出すことができますから、これまでと作業の流れが劇的に変わりました。また口腔内スキャナーが普及することで、インビザラインという目立ちにくい矯正器具もメジャーになってきています。

作業のデジタル化を率先

当社では、こういった状況にいち早く対応してきました。ジルコニアがまさにその例で、歯科業界ではまずは我々のような作る側のデジタル化が先行しました。それに少し遅れて、医院様側のデジタル化が急激に進行しています。まだ口腔内スキャナーの普及率は2~3割程度ですけど、今後はおそらく普及率100%に近くなると思います。機械の精度が良くなり、値段も下がることで、普及するスピードが上がるでしょう。

口腔内スキャナーで見逃せないメリットは、患者様の負担が少ないことです。デジタルデータで口腔内の型取りが行えるわけですから、これまでのように印象材を口の中に入れる必要はありません。また、医院様から見ても物として型を残さなくて良いですから、限りある院内スペースを圧迫しません。

まさに口腔内スキャナーは圧倒的な革命です。当社では、医院様によって異なるスキャナーに対応できます。また、デジタル化を率先して進めていくことで、症例やノウハウを日々蓄積しています。ぜひご相談いただければと思います。

顧客データ管理で一段階上の仕事を

このように、機械化、デジタルが進んでる歯科業界ですが、それだからこそ人間の仕事の精度も上げなければいけません。そのため、当社ではCRMを数年前から導入しています。CRMとは顧客管理のためのシステムで、当社の場合ならお付き合いのあるたくさんの歯科医院様をデータベース化し、これまでに完了した仕事を全てデータとして活用できる形にしています。

その前までは、各技工士がそれぞれ担当となる歯科医院を受け持つような形でした。これはこれで悪くありませんが、もう一段階上のステージに上がるためには、担当だけができるのではなく、スタッフ全員が歯科医院様ごとにベストな仕事をさせていただかなければいけません。

半分の顧客がリピーターに

おかげさまで、たくさんの医院様にリピーターになっていただき、長くお付き合いをさせていただいています。そのおかげで当社は営業担当を置いておらず、ダイレクトに歯科医院様とやりとりをすることで、その分のコストをカットできています。ひいては、全体の技工価格を抑えることができています。加えて、クーポンやお受けする仕事量に応じた割引も実施しています。

また、宅配で印象や技工物をやりとりできますので、全国の歯科医院様とお仕事をさせていただいています。これまでは紹介だったり、代替わりや独立後にも引き続きお付き合いいただいている医院様が多いですが、新規のお客様も大歓迎です。

当社ではお付き合いいただいた医院様の半分がリピーターになっています。でもこれは、もう半分の医院様にとって、継続的にお力になれなかったということです。私たちはここを変えていきたいです。

こういった点をより向上させていくため、このメディア「歯科医のミカタ」を始めました。私たち、そして歯科業界がどういう仕事をしているかを多くの方に知っていただき、私たちとお付き合いくださる歯科医院様との新たな出会いを期待しています。

歯科技工の世界は、何かひとつに秀でれば良いというわけではありません。デジタル化により、技術による差も付きにくくなっています。だからこそ、医院様のやりたいことや気持ちに寄り添いながら、丁寧な仕事をしていきたいです。患者様に喜んでもらえて、付き合って良かったと言っていただける技工所を目指し続けます。

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